書評とは？/ アイフル
[ 499] 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
[引用サイト] http://www.yomiuri.co.jp/book/review/
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今や試合後の恒例となった野村監督の「ぼやき」。激しい勝負のあとの、つかの間の「憩い」、オアシスにも似た効果をもたらしている。その野村監督が立て続けに本を出した。それぞれ読み応えがあるが、中でも『野村 ...[全文へ] 植民地研究といえばこれまでは政治史が主流であった。これに対して本書は、日本統治時代の台湾における葬儀の変遷を扱う。一見、好事家の研究のようだが、実は、植民地政策と現地社会の価値変容という重い課題に焦 ...[全文へ] 奴隷の話など現代の先進国に生きる人間にははるか彼方（かなた）の物語でしかない。だが、今でも世界中に二億人の奴隷同然の人々がいるという。その大多数はもともと捨てられたり人身売買されたりしているのだ。 ...[全文へ] 今月２０日、成田空港が開港３０周年を迎えた。これに合わせるかのように、成田空港や羽田空港の利便性を高めるため、政府が様々な方策を検討中とのニュースもよく目にする。 ...[全文へ] 日本には現在約二十四万人の特別職公務員「自衛官」がいる。規模は約二十万人の大学教員と約二十九万人の警察官の中間である。だが、基地の外で制服を脱ぐ自衛官は、災害でも起こらなければ存在さえ日常的には意識 ...[全文へ] 連続殺人犯の居場所を犯行地点の情報からどうやってつきとめるか。テロリスト組織の中心人物はどうすれば特定できるか――。本書は、こうした犯罪捜査の現場で実際に用いられている数学を、ほとんど数式なしでわか ...[全文へ] ３年前、東京に完成した「三鷹天命反転住宅」は、住み心地の良さに真っ向から逆らった集合住宅。原色で塗り分けられ、球状の部屋や、円筒形のシャワー室があり、堅くて傾いた床はでこぼこ。家具を置く場所にも困る ...[全文へ] 思いがけず妻以外の女性との恋に落ちてしまった中年男性２３人にインタビュー。罪悪感や嫉妬（しっと）に苦しむ男たちの声に耳を傾ける。彼らの恋の顛末（てんまつ）に、著者は「恋は大人を子供にする」と実感する ...[全文へ] 三内丸山遺跡の巨大な６本柱に象徴されるように、縄文人は腹の足しにならないことにエネルギーを使った。高い山に登り、重い石を使ってストーンサークルも作った。自然と不即不離の関係を築き、その霊力を求めた。 ...[全文へ] 自由恋愛を信条とする女が、結婚した男のほかに、もう一人の男とも結婚したいと宣言。さらに子供が生まれ、４人一緒に暮らす計画が進む。蓮池薫さん訳による反一夫一婦制をテーマにした韓国のベストセラー。サッカ ...[全文へ] マスコミで人気の著者が、精神科医療について綴（つづ）ったエッセー集。特別だと思われがちな精神科医の仕事について、勤務医と大学教員の二足のわらじの効用、研修医時代の失敗談など、軽いタッチで書かれている ...[全文へ] 戦争や紛争が続く現代。だが一般人は軍事に疎く、そこから平和を学ぶ思考はまだ粗い。戦争の定義、歩兵と特殊部隊の違いや、軍人教育の内容など、知っておくべきことは多い。「プライベート・ライアン」から「硫黄 ...[全文へ] 一休を語るには中世という時代の本質を話さねばならない。「中世までは兵農未分離。近世になって兵農分離」と教科書は教えるが、それよりも「中世までは聖俗未分離。近世から聖俗分離」の社会であったことのほうが ...[全文へ] 大衆化する大学キャンパスで、ファカルティ・ディベロップメントという面妖な概念が闊歩（かっぽ）している。「大学教員の教育能力を高めるための実践的方法」だという。そこで槍玉（やりだま）に挙がるのが、フン ...[全文へ] なぜだろう、不思議と心が癒やされる小説だ。気弱な妻が夫に浮気をされ、つらい思いに耐えながらも自分の生き方を模索する話なのだが、主人公の日下（くさか）のゆりが自分の弱さを認識しているためか、優しくて品 ...[全文へ] テレポリティクスがはやり、「ジェットコースター政局」の嵐が吹き荒れ、あげくに「三分の二再可決」の低値“安定”政権の登場と、ポスト小泉政権をいかに捉（とら）えるかは、なかなかに容易なことではない。学者 ...[全文へ] 世界の紛争地で最も多く使われている自動小銃の設計者とは、一体どんな人物なのか。本書は、激動の２０世紀を生きた本人からの聞き書きによる自伝である。そこには、思いのほか朴訥（ぼくとつ）で実直そのものの男 ...[全文へ] 新年度が始まり、大型連休でほっと息をついたあと、これって五月病なのかな、と何だか心の晴れない日が続いていませんか？ ぜひこの「玉手箱」の扉を開けてください。 ...[全文へ] 沈うつなバブル崩壊後の経済の中で２０代を過ごした、評者と同じ１９７０年代生まれの世代に、これほどバイタリティーのある日本人の起業家がいると知って内心ほっとした。 ...[全文へ] 独特の色彩に目を奪われるせいか、アジアの写真集はカラーが多い。この一冊は経済発展を牽引（けんいん）し、「小さな龍」に例えられてきたシンガポールと台湾、そして上海を、深く、豊かな階調のモノクロでとらえ ...[全文へ] 学力世界一と言われるフィンランドに大使館員として長く勤務した教育アドバイザーと劇団「青年団」を主宰する劇作家との対談。「相手の気持ちはわからない」という前提で、妥協点を見つけていく対話の力こそ、将来 ...[全文へ] 東京・山谷にあるホスピス施設「きぼうのいえ」を長期取材したノンフィクション。施設で生きる人と看取られる人、その様子を見守る施設関係者……。さまざまな人生を経てこの施設にたどり着き、最後の時間をともに ...[全文へ] アメリカきっての知日派政治学者による、２３歳で初来日して以来の日本観察記。東京・西荻窪での下宿生活の思い出から政治の混乱ぶりまでを、肩のこらない筆致で描く。「説得する政治」の必要性を論じ、「日本人は ...[全文へ] 小津安二郎監督が亡くなって４５年になる。が、その人気は衰えることがない。海外の俳優や監督が口にするのはオヅとクロサワ。本書は小津作品マニアの著者が、監督のこだわりに注目し、ファッションやインテリア、 ...[全文へ] 母と兄が公開処刑され、自分も背を焼かれるなどの苦難の末、２３歳でついに北朝鮮からの脱出に成功した著者。人を人と思わぬように訓練する人民学校、収容所での過酷な労働と飢え。監視・密告し殺戮（さつりく）さ ...[全文へ] ミステリー界きっての鬼才、山口雅也の『ミステリーズ』『マニアックス』に続く“Ｍシリーズ”最新作。誰の心の中にも存在する怪物＝モンスターを主題とした短編が６編。第２次世界大戦中のナチスドイツを舞台に選 ...[全文へ] 高校以来の友人で、ＮＨＫと朝日新聞それぞれの記者ＯＢが、「番組改変」問題をじっくり検証し直し、大手メディアが抱える問題点も浮き彫りにする。現代ジャーナリズム論であるとともに、分かりづらかった番組改変 ...[全文へ] 物語は、宇宙から早朝の東京の街を見下ろすように始まる。本を読んでいるというより、何台ものカメラが同時にそれぞれの人物をとらえていて、誰かがスイッチを押して切り替えられた衛星放送の映像をモニターで眺め ...[全文へ] 本書は現代日本のアーティスト２３人のインタビューと著者による作家論を並置した批評集である。分量としては半分近いインタビューからうかがえる、千差万別の個性に圧倒される。数多いカラー口絵や図版で作品も紹 ...[全文へ] 学生のころ、歴史哲学をやりたいと思っていた。でも、そんな科目はないと一笑にふされた。まず歴史をやるか哲学をやるかだね、とも助言された。しぶしぶ歴史を選んで今日までいる。そんなふうに煮えきらずに生きて ...[全文へ] 本書の著者は心理療法士だ。スウェーデンの「ボーイズ・クリニック」で、性的虐待を受けた少年の治療に携わっている。 ...[全文へ] 美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみのご存じ元祖３人娘。その後に、ナベプロ３人娘や中三トリオ、男性歌手の御三家、新御三家など幾多の３人組が登場したが、元祖に勝る存在感ある取り合わせはなかったのではない ...[全文へ] 流行語にもなった『下流社会』で知られる著者は１９８０年代、東京・渋谷のパルコで働いていた。企業主導の消費文化を象徴する店と思われがちだが、本来はマイナーで、ストリート的な文化こそがパルコの真骨頂だっ ...[全文へ] 小中高校の授業指南書は数多いが、大学となるとめずらしい。アレクサンドロス大王を専門とする著者が、学生のレベルの低さに唖然（あぜん）とし、「日本の未来」のために立ち上がった試行錯誤の記録。ときに厳しく ...[全文へ] 考古学の専門家らが、バーミヤンや敦煌などシルクロードの要衝を訪れ、最新の発掘・研究成果をすくい上げて報告した。シルクロードの文明と古代日本との結びつきを描き出し、新たなシルクロード学を切り開いている ...[全文へ] 多民族国家として共存していた旧ユーゴスラビア連邦のボスニアでなぜ民族対立が生まれ、一般市民を「民族浄化」と称するジェノサイド（集団虐殺）へと駆り立てていったのか。どの民族にも肩入れしない冷静な分析で ...[全文へ] 主人公、藤原マナは中学２年生。離婚した生保レディーの母親、しのぶと２人暮らしだ。しのぶは霊能者という裏の顔を持つ。あの世とこの世をさまよう「まよいもん」たちとの事件の数々。死ぬことも生まれることも、 ...[全文へ] シビアな生活に負けていられるか。一生上を向いて、魂の叫びのラップをかましてやる！ 親の離婚、暴走族の立ち上げ、シノギ合い、決闘罪での逮捕、少年院暮らし。その果てに辿（たど）りついた言葉の世界とヒップ ...[全文へ] イギリスをテーマにした情報誌「ミスター・パートナー」の編集長で、イギリス通の著者が欧米人から見た日本人を描く。そこに生活していながら、長所や利点を忘れ、特色や欠点に気付かずにいる“日本音痴”であるこ ...[全文へ] １９８０年代から９０年代にかけ先進諸国を席巻した大きな政治潮流があった。「新保守主義」である。「人間の作為への深い懐疑から、国家のなし得ることの限界を説き、市場システムの合理性と効率性を強力に弁証す ...[全文へ] 本書の筆者である少年は、西アフリカのシエラレオネで、政府軍と反政府軍の内戦に巻き込まれる。内戦の起こった背景も知らないまま、彼は反乱軍が村人たちを虐殺している自分の村から森へと逃げ込む。違う村にたど ...[全文へ] 本を手にするとまず著者情報に目がいく。だが、性別、年齢、出身地、国籍、学歴、経歴から得られるのは漠然としたイメージでしかなく、あたり前だけれど、作品をていねいに読むことによってしか、作者が「誰」であ ...[全文へ] 著者が長らく勤めた京都大学には放任主義の伝統がある。学生を手取り足取り指導するより、自らの研究する姿を着飾ることなく晒（さら）すことが重要な教育実践である。研究が楽しくて仕方ない教師を傍らで目にする ...[全文へ] |
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