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買っとは?/ プロミス

[ 519] 買っとけ! DVD
[引用サイト]  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080428/buyd247.htm

リニューアル版のDVD-BOXをこのコーナーで取り上げ、知人達から「とても気持ち悪かったよ」という褒め言葉を多数頂いたのが2003年の7月。それから約5年。「二度とエヴァについて書く事はないだろう」と思う反面、「総集編や続編好きのガイナックスだからいつかはやるかも……」と思っていたエヴァンゲリオンの新作が、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」として劇場公開され、4月25日にDVD発売がスタートした。製作はガイナックスからスタジオカラーに変わったが、率いているのは庵野秀明、その人である。
'95年にテレビ放送された「新世紀エヴァンゲリオン」は、人間味溢れるキャラクターや、謎が謎を呼ぶストーリー、物語というちゃぶ台をひっくり返したような後半の展開などが話題となり、「宇宙戦艦ヤマト」、「機動戦士ガンダム」に続く、「アニメブーム第3の波」など呼ばれるほどに、社会現象的な人気を集めた作品だ。
ブームは放送終了後も冷めやらず、テレビ版の内容を大胆に再編集したものと、後半の物語を描き直したものを劇場版として公開。一応の完結を迎えたが、物語の雰囲気や、登場するキャラクターに至るまで、その後に続くアニメに大きな影響を与えているほか、コミックやゲームなどの関連作品は続々とリリースを継続。パチンコなどでキャラクターや主題歌は今も街中に溢れており、そういった意味でも“現在進行形の作品”と言えるだろう。
思い返せば新劇場版は「この12年間、エヴァより新しいアニメは無かった」という庵野監督の挑戦的とも言える声明文から幕を開けた。一度は完全に終わった作品を再度作り直すには相当の覚悟が必要だと思われるが、「疲弊する日本のアニメを未来につなげ、蔓延する閉鎖感を打破したい。そのためのベストな方法がエヴァンゲリオン再映画化だった」というのだ。
「12年間エヴァより新しいアニメは無い」という監督の言葉に、「OVA版ジャイアントロボのほうが面白かった」とか、「“おねがい☆ツインズ”さえあればあと10年は戦える」とか個人的に言いたいことは多々あるが、確かにアニメ界そのものの方向性を変えるような“エヴァより革新的なアニメがあったか!?”と言われると返答に困る。とどのつまり“いつまでたってもアニメ界が進歩しないので、御大が尻を叩きに来た”ということなのだろう。
舞台は“セカンド・インパクト”と呼ばれる大災害で、人類の半数が死滅し、徐々に復興しつつある日本。14歳の少年・碇シンジは、疎遠だった父親から急に呼び戻され、第3新東京市へと降り立った。そこに「使徒」と呼ばれる正体不明の巨大生物が襲来。第3新東京市は使徒を迎え撃つための特務機関“ネルフ”要塞都市であり、シンジは対使徒用に開発された人型兵器エヴァンゲリオンのパイロットとして呼び戻されたのだった。
わけもわからぬまま、パイロットとして使徒と戦うことになるシンジ。その恐怖や父親への反発からエヴァへの搭乗を拒否するが、ネルフの作戦部長で、彼の保護者を買って出る陽気なお姉さん・葛城ミサトや、シンジと同じエヴァのパイロットで、自分の命を軽視しているとも思える無口な謎の少女・綾波レイとの関わり合いの中で、今までの自分を変えるキッカケを掴んでいく……。
今回の映画をテレビ版になぞらえると、第6話の“ヤシマ作戦”終了あたりまでが描かれている。だが、勘違いしている人も多いが、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は新作アニメで、総集編ではない。上記のあらすじはテレビ版とまるで同じもので、実際に今回の劇場版も最後の最後まで、ほとんどテレビ版と同じ物語が展開するし、登場するキャラクターの役割や性格もほとんど同じだ。だが、それはこの作品が旧作との繋がりを重視した導入の「:序」であり、4部作のこれ以降3作品ではまるで違う方向へ物語りが進むことは明言されている。
最大の特徴は映像だ。テレビアニメ用の原画やタイムシートなどを、素材として一度解体。それをベースにしながら、映像は新たに全て描き直しており、使徒や兵器の描写などに3DCGも多用して“再構成”されている。もともとがテレビアニメなので比較するのは酷な話だが、物語のベースは同じでも、映像クオリティ的にはまったくの別物と言っていいだろう。
ある意味で「:序」は、この“再構成”をいう手法のデモンストレーション的な作品であり、「同じキャラ、同じ素材を使いながら、まったく違う話をはじめますよ」という、宣言のような映画と言っていいだろう。逆の意味で「まったく新しいエヴァ」を楽しみにしていた旧作のファンにとっては、「凄く映像が綺麗になった以外に大きな違いはない」と思われてもおかしくはない。
ただ、旧作との細かい違いは随所にある。そもそも冒頭の一番最初「時に、2015年」というお馴染みの表示が無い。この物語が旧作と同じ時点からスタートしているのか、別の世界の話なのか、いったいなんなのかわからない。物語の展開としては見慣れたものなので気を抜いていると、テレビ版では終盤に明かされたネルフ地下の“リリス”を、知るはずのないミサトが知っていたり、これまた終盤で登場するはずの渚カヲルが突然月で意味深なセリフを吐いたりと、「ええ!?」と驚かされる。初めて観る人はそのまま受け入れられるだろうが、従来ファンからすると“見知った物語が徐々に大きくズレていく兆し”を目の当たりにしたまま、映画の終わりを迎えることになるだろう。
個人的に最も気になったのは“ミサトとシンジの関係”だ。同居することになった2人が、一度仲違いをした末、箱根湯本駅で本当の家族になる印象的なシーンが旧作にはあったが、そのあたりが大胆に省かれている。まともなヒロインが存在しないこのエヴァにおいて、シンジが最後にエヴァに乗るキッカケにもなるなど、ミサトという女性は非常にヒロイン的な役割も担っている。しかし、新劇場版では父親への歪んだ愛情を垣間見せるシンジの描写が目立ち、このあたりも今後のズレていく物語に影響しそうだ。
そして、何よりも注目すべきは次作の予告。時間にして30秒に満たない短いものだが、ミサトの明るい口調で、誰も知らない今後登場のエヴァシリーズが明らかになり、最後には新キャラクターまで登場するというあまりに密度が濃い30秒間。今回の映画はこの予告のために存在していると言っても過言は無い。そして、これをコマ送りで鑑賞できるだけでもDVD購入の意味はある。
「この新キャラ何!?」、「ネットではマリとか言われてるけどホント!?」、「眼鏡に写ってるのって鳥じゃなくて量産エヴァだよね!?」などと、途端に伏線や謎について語りたくなる。「ああ、こういう細かい枝葉について友達と議論を重ねながら来週の放送を待つ……これこそがエヴァの楽しみ方だった」と12年前を思い出した。またエヴァに、まんまとしてやられたというわけだ。
テレビアニメは作画スタッフの違いにより、各話でキャラクターの描写に若干の違いが生まれるものだが、新劇場版では当然のことながら最後まで一貫。貞本義行の繊細なキャラクターのラインが、動画でも良く再現されていると感じる。CGのクオリティも非常に高く、2Dアニメ部分との違和感の少なさは従来のアニメを超えるレベルで実現していると感じる。ネルフ本部内部の空間の巨大さや、無機質な感じが良く伝わってくる。
戦闘シーンの爆発や動き、崩れるビルや押しつぶされる自動車などの描写は、「流石は庵野作品」と唸らされる精密かつ、気持ちの良い誇張に満ちており、後半のヤシマ作戦の迫力などはテレビ版とは比べものにならず、結末は知っているはずなのに思わず手に汗握ってしまう。「おまえの構造はどうなってんだ」と突っ込みたくなる、3DCG化された使徒ラミエルの動きとともに、必見のシーンと言えるだろう。
だが、問題はそれらを収録しているDVDの画質だ。この作品はデジタル制作のアニメだが、画質の調整は劇場におけるフィルム鑑賞を前提としているという。そのため、DVD化にあたっては上映用そのままの画は使わず、35mmニュープリントからのHDテレシネを行ない、DVD用として新たに画と音を再調整しているという。
そのため、いわゆるデジタルアニメ特有の抜けの良さ、解像感などは感じられず、全体にフィルムグレインが乗り、良くいうとシットリとしたフィルムライクな、悪くいうと解像度が低く、輪郭線が甘い映像になっている。肌色の単色部分に色ノイズも乗り、深夜に行なわれるヤシマ作戦では暗部が潰れて、キャラクターの表情や動きが見えにくいシーンもあるい。ぼーっと鑑賞していると「あれ、これテレビ版の映像まとめた映画だっけ?」と思ってしまうシーンもある。CRTでは気にならないが、液晶では正直辛いシーンが多い。なお、再生にはPLAYSTATION 3のアップコンバートを使用している。
このごろ映画はBlu-rayでばかり鑑賞していたので、「DVDってこんなもんだっけ?」、「劇場で見た時も、この程度の画質だったっけ?」と思っていたのだが、特典ディスクに収録された予告映像や、プロモーションビデオを見てぶったまげた。色調から解像感から、まるで違うのだ。予告/PVの映像は非常にクリアで抜けが良く、登場人物の髪の毛1本1本まで、精密に描写されている。全体的に輝度が高く、肌色も鮮やかで、赤みがかった本編映像とは違う。校舎の屋上でレイのバックに描かれる青空が、夏の快晴と、冬の曇天ほど違って見えて「千と千尋のDVDか」と、思わず笑ってしまった。
なお、特典ディスクには本編に登場する兵器や、場所を示す解説テロップ入りの本編映像が「Explanation of EVANGELION:1.01」と名付けて収録されているのだが、こちらの映像は本編ディスクのものと同じだ。おそらく予告/PVの映像は、劇場公開用データをそのまま持ってきているのだろう。フィルムライクな絵作りも作品全体のイメージに寄与する大切なことだが、DVDに落とし込むと正直暗部が潰れてしまうだけのような気もする。それに、1枚のDVD内で画質の比較ができてしまうと正直「こっちのクリアな画質で本編を収録して欲しい……」と言いたくなってしまう。テロップ入りの本編をまるごと収録する容量があるのなら、特典ディスクに“フィルム化しないデジタル版本編”を収録するわけにはいかないものか。これも現在のアニメ界への監督からのメッセージなのだろうか……などと考え込んでしまった。
音質は非常に良好。従来のテレビシリーズはもちろん、劇場版にも負けないクオリティで、ヤシマ作戦の山が吹き飛ぶビーム砲の攻撃シーンではサブウーファーが唸りっぱなし。使徒の断末魔や、エヴァ暴走時の獣を思わせる雄叫びも、より恐ろしさを増している。碇ゲンドウとゼーレのモノリスの会話シーンでは、凄まじいエコーで不気味さも倍増だ。個人的には音にこだわる(?)シンジが使っているポータブルプレーヤーが“SDAT”なのがテレビ版からそのままだったのが残念。ポータブルSACDプレーヤーあたりを使ってくれないかと密かに期待していたのだが……。
DVD版のクオリティはひとまず置いておくとして、“再構成”という手法のクオリティと、今後展開する新たな物語の胎動を今回の劇場版から感じ取ることができた。4部作を最後まで見ないと「エヴァが再起動してまで伝えたいこと」はわからないだろうし、そこへの大きな流れは、おそらく次作の「:破」で我々の前に示されることだろう。今らか非常に楽しみである。
個人的な予想としては、今回の劇場版は、主人公の内面にフォーカスを合わせる、哲学的で抽象的な、いわゆる“エヴァっぽい”作品にならないのではないかと考えている。ある意味、少年が頑張って地球を救う、“普通のアニメ”を作ろうとしているのではないかと思うのだ。この12年が、模倣はあっても、革新が無かった12年だと言うならば、再起動したエヴァが破壊しようとしている閉塞感は“エヴァっぽさ”そのものではないかと考えている。それが、ファンを含めたアニメ界にとって共通の閉塞感なのか、あくまで庵野監督の中にある閉塞感なのかという問題はあるだろうが……。
それにしても、今回の映画の最大の魅力は、12年前の作品を、現代のデジタル技術を駆使した最先端映像に“再構成したこと”にあるはずだ。その新体験とも言えるクオリティの映像を、最終的に視聴者に届けるパッケージがDVDというのはナンセンスな話である。最高に美味いというラーメン屋に出かけたら定休日だったので、向かいのコンビニでそのラーメン屋の味を再現したカップ麺を食うくらいナンセンスな話だ。この作品を真の意味で楽しむためにも、劇場版に近いクオリティのBlu-ray版リリースを熱望せずにはいられない。
そういった意味で、ほとんどの部分でテレビアニメ版とストーリーが同じ、今回の「:序」に関してだけは、「DVD版を見送ってBlu-ray版を待つ」とか、「DVDは5月21日発売の通常版で我慢してBD版を……」というスタンスも悪くないと思う。特典ディスクの内容はそれほど多くは無い。ともあれ、“閉塞感の打破”と掲げるのであれば、作品内容だけでなくリリーススタイルでも、BD&DVD同時発売、ついでにハイビジョンで有料ブロードバンド配信も開始! くらいの“新しいアニメはこうだ!”というスタイルを示して欲しかったというのが正直なところだ。

 

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